「最近トイレが近い」「夜に2〜3回起きる」そんなお悩みはありませんか?
この記事では、60代女性に多い頻尿の原因をわかりやすく解説し、病院に行く前にできるセルフケア方法をわかりやすく紹介します。
頻尿の原因は、加齢による変化だけでなく、水分の摂り方・骨盤底筋のゆるみ・冷え・ホルモンの変化など、生活習慣にも関係しています。
つまり、少しの工夫で改善できることも多いのです。
私は病院で排尿ケアチームの一員として、患者さんの排尿トラブルに向き合い、改善方法を提案してきました。
この記事では、その経験をもとに、60代女性が今日から実践できる頻尿対策をわかりやすくお伝えします。
なお、この記事の内容は一般的な情報提供を目的としたものであり、医師の診断や治療に代わるものではありません。気になる症状がある場合は、専門医へご相談ください。
60代女性に多い頻尿とは

頻尿の定義
まずは基本から。
正常な尿回数は日中3~7回、夜間:0~1回、このくらいが目安です。
「え?私、もっと行ってるかも…」と思った方、それ、年齢のせいだけじゃないかもしれません。
頻尿とは
- 日中:8回以上
- 夜間:2回以上
いかがですか?このくらい行ってますか?
加齢が頻尿を起こすのはなぜ?
膀胱は風船のように伸び縮みする筋肉の袋でできていて、年を重ねると、全身の筋肉が少しづつしなやかさを失っていきます。
筋肉でできている膀胱も例外ではなく、伸び縮みの弾力が減って、ためられる量が少なくなるんです。
さらに、縮みきれずに、オシッコが残ると、次に溜められる量も減り、結果、「あれ?またオシッコ行きたい…」となるわけです。
↓↓詳しくは以下の記事でも解説しています。
「歳のせい」だけじゃない頻尿の背景
女性の頻尿には、ホルモンの変化、筋肉の衰え、冷え、水分の取り方など、生活のちょっとしたクセも関係しています。
原因別に生活習慣をチェック
自分はどれに当てはまるかチェックしてみてください。
ホルモンバランスの変化

エストロゲンの低下
閉経を迎えると「エストロゲン」というホルモンが低下します。
エストロゲンって、実は尿道や膀胱の粘膜をうるおしてふっくら保つ働きがあります。
若いころ、生理中にオシッコが近くなったことはありませんか?
あれって、生理中は黄体ホルモンが優位になってエストロゲンが減るためで、薄くなった粘膜は知覚過敏を起こし、ちょっとの刺激でも「オシッコ行きたい!」となるんです。
更年期以降も同じことが起こり、膀胱や尿道の粘膜が乾燥したり筋肉が弱くなり、頻尿や尿もれが起こりやすくなります。
要するに、ホルモンの変化はお肌や骨だけでなく、「トイレ事情」にも影響大!なのです。
骨盤底筋(こつばんていきん)の衰え


骨盤底筋は尿道をキュッと締める筋肉。
でも、年齢とともに、その締める力も弱くなります。
結果、オシッコを我慢しづらくなり→頻尿や尿漏れの原因に。
さらに骨盤底筋は、ハンモックのように、骨盤の中にある臓器を支える大黒柱。
その支える力が落ちることにより、支えていた膀胱や子宮などが少しダラリンと下に降りてしまうことも。
すると「溜めきれない」「ちょっとで尿意」なんてことが起こります。
イメージとしてはハンモックの紐が緩んでズルッと下がった感じ、アレです。
水分の取り方のクセ

水分過多が頻尿の原因になっている方も多くいます。
脳梗塞や心筋梗塞の予防に血液がサラサラになるように「1日2Lの水を飲みましょう」と聞いたことありますよね?
でも実はこれ、何も科学的根拠のないってご存じでした?
1日に必要な水分は、食事から取れている分を除いて800ml~1400ml。
つまり、お茶や水をゴクゴク飲み過ぎると、当然出るのも増えちゃうということです。
頻尿が気になる方は夏は熱中症にならない程度に、適度に。
また、寝る3時間前までに水分摂取終わるように、を心がけると良いでしょう。
↓↓詳しくは以下の記事でも解説しています。
冷え

冷えが身体に良いことは何一つなく「百害あって一利なし」、膀胱の働きにももちろん悪影響。
身体が冷えると膀胱の血流も悪くなり、こわばって働きが悪くなる。
また、冷えは自律神経も乱してしまうので、「尿を出す・ためる」のバランスが崩れる原因にも。
ちなみに私も冬になると、オシッコに行く回数が3~5回は増えています。
看護師の私でも例外ではありません(^^;
下半身を冷やさない、それだけでも違いますよ~。
便秘

以外かもしれませんが便秘も頻尿の原因になります。
腸にたまった便が膀胱をグッと圧迫し、物理的に膀胱容量が小さくなるんです。
さらに、イキむクセで骨盤底筋にも負担がかかり、尿を我慢する力が弱くなることも。
ストレス

ストレスや緊張も「頻尿スイッチ」になります。
不安や焦りで交感神経が優位になると、膀胱もソワソワ。
今日からできる!60代女性の頻尿セルフケア
「病院に行くほどじゃないけど、なんとかしたい」
そんなあなたに今日からできるセルフケアを紹介します。
生活のちょっとした工夫で、トイレの悩みはずいぶん軽くなりますよ~(^^)
骨盤底筋トレーニング
頻尿や尿漏れの改善には、骨盤底筋トレーニングが欠かせません。
この筋肉は、膀胱や尿道を支える目に見えないインナーマッスル。
ここを正しく鍛えることでオシッコの悩みがグッと減ります。
1日3セットを目安に、テレビを見ながら、キッチンに立ちながら、で誰にもバレずにできます!
簡単にできる骨盤底筋トレーニング

①椅子に腰かけ背筋を伸ばす
②オシッコを「今止める!」イメージで、肛門と膣をギュッと締める
③3秒キープ→ゆっくり緩める
④これを10回。慣れたら5秒キープを10回に。
骨盤底筋トレーニングのポイント
ポイントはお尻の筋肉や、お腹の筋肉に力を入れすぎないようにしましょう。
骨盤内の筋肉はすべてつながっているので、お尻やお腹の筋肉も多少キュッと力が入るのは自然なことです。
「間違ってる⁉」と焦らなくて大丈夫。
ただ、あくまでも意識したいのは「下だけをギュッと締める」感じ。
慣れてくるとだんだんその感覚の違いが分かってきます。
この筋肉は目に見えない場所にあるので、「本当に効いているのかな?」とやる気を失いやすく、モチベを保つのは難しいかもしれません。
でも、続ければ確実に変わります!
頻尿や尿漏れで困っているなら、毎日少しづつでも続けることがいちばんの近道です。
水分の取り方を見直そう

水分の取り方が頻尿の原因になっている方は非常に多く、1日2L以上も飲んでいるようなら飲み過ぎです。
かといって、控えすぎるのも良くありません。
何事もほどほどがイチバン!
普通の食事を普通に普通の量食べている方なら、水分として飲むのは800ml~1400mlでじゅうぶんです。
「のどが乾いたら飲む」くらいの自然なペースがちょうど良いんですよ(^^)
- 一気のみでなくこまめに分けて
- 夕食後は控えめに
- コーヒー・緑茶などのカフェインは利尿作用があるので注意
- ビールやチューハイなのどのアルコール飲料も水分摂取にカウントしてね
冷えを防ぎ、膀胱の血流を守ろう

冷えると膀胱の筋肉も固くなり、オシッコが近くなる原因に!
夏はエアコンでの冷え、冬は気温での冷え、一年中冷えとの闘いです。
できる対策で頻尿におさらばしましょう。
- 靴下・レッグウォーマーで足首を冷やさない
- ひざ掛け・湯たんぽで下腹部を温める
- 寒い夜はトイレの床マット・便座も温かく
- 飲み物は暖かいものを
- 夏はエアコンの設定に注意
- 扇風機の風に直接当たらない
便秘の改善を

腸内に便がたまるとすぐ隣の膀胱も圧迫されます。
便秘を放っておくと、膀胱を圧迫して頻尿の原因にも。
- 食物繊維を意識して摂る(野菜・キノコ・海藻など)
- 朝コップ一杯の水で腸を目覚めさせる
- 毎日10分でもウィーキングを
腸と膀胱はお隣同士の仲良しさんなので、どちらも元気に保ちましょう!
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ストレスをためない(トイレを意識しすぎない)

ストレスや緊張も「頻尿スイッチ」。
不安や焦りで交感神経が優位になると、膀胱もソワソワしてしまうんです。
「今オシッコ行っておかないと、途中でしたくなったらどうしよう…」そんな風に思わず、「行きたくなったら行けばいいや」くらいに思える余裕がイチバンのセルフケアになることもあります。
実際、これは「膀胱訓練」と言って、医療の現場でも、頻尿の方に指導する方法なんです。
「オシッコ行きたい、と思っても5分我慢してみて。
5分我慢できたら10分我慢に挑戦してみて」
そうすると、膀胱のためる力が鍛えられるんです。
すっかりたまりきる前に、不安だから行っておこう・・・を繰り返していると、膀胱のためる力がだんだんなくなってきてしまうので、頻尿の方は「少し我慢」のクセをつけると改善することがありますよ。
睡眠の質を整えよう

夜間頻尿のある方は、眠りの浅さも関係していることがあります。
オシッコしたくて目が覚めると言うよりは、「目が覚めたからオシッコ行こう」という事も多いのです。
- 寝る3時間前にはぬるめのお風呂で身体を温める
- 寝る前のスマホやテレビを控える
- カフェインやアルコールは控えめに

病院受診の目安

自分でできる改善方法=セルフケアを紹介しました。
これらを行ってみても、改善しない場合は、泌尿器科を受診してください。
泌尿器科を受診するときは、「排尿日誌」を持っていくのが超おススメです。
これが診断する医師にとって非常に有効なデータなんです!
不用品を利用したり、100均で計量カップを買って、ぜひ尿量を測ってみてください。
ペットボトルを利用するときは切り口でケガをしないように、テープで保護を。
使用前に50mlずつ水を入れて油性マジックでメモリをつけてくださいね(^^)

メモ部分には飲水量などを記録すると、なお診断に役立ちます!
つける期間は1日でも十分有用なデータになります。
可能なら3日間くらいつけられるとベスト!

頻尿には「神経因性膀胱」「過活動膀胱」「膀胱炎」「間質性膀胱炎」「尿道炎」などの病気が隠れていることがありますので、気になる方はすぐに泌尿器科を受診してください。
まとめ
60代、頻尿が気になる時にまずは自分でできるセルフケア方法を紹介しました。
いかがですか?できそうですか?
頻尿は「年のせい」だけではありません。
骨盤底筋を鍛え、身体を温め、ストレスをためず、水分の取り方を見直すと少し改善することができます。
そして何より「自分の身体を気にかけること」こそが最高のセルフケアです。
ぜひ今日から少しづつ始めて見てくださいね(^^)
この情報は医療専門家の診断に代わるものではありません。体調が気になる方は専門医にご相談ください。
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