最近、夜にオシッコに起きる回数が増えて困ったなぁ、と感じていませんか?
病院で排尿ケアに携わっていると「夜間頻尿」という言葉をよく耳にします。
この記事では、排尿ケアに携わる看護師として、「夜間頻尿で困っている」方に向けて、病院を受診する前にできるセルフチェックとセルフケアの方法を紹介します。
そのセルフチェックは、水分をどのように取っているか、と、足のむくみを確認することです。
具体的には水分の飲み方、いつ、どのくらい。
そして、どんな食事をいつ、どのくらい?
夜間頻尿の原因は、水分の取り方にあることも少なくありません。
飲み方や時間を工夫するだけで、夜間のオシッコ回数が減り、ぐっすり眠れるようになる方もいます。
さらに、足のむくみも夜間頻尿の大きな要因です。
夕方までに足のむくみをとってあげることで、夜のオシッコの回数が減る可能性があります。
最近、夜にオシッコの回数が増えて、ちょっと心配、という方に向けて、自分でできるちょっとした行動の変化で改善できる方法を紹介します。
夜間頻尿とは

夜間頻尿の定義は、教科書的に言うと
夜間に占める尿量が全日の33%以上、あるいは10ml/㎏体重以上とされる
とあります。
なんのこっちゃら、分かりにくいですよね。
または、
夜間に2回以上起きる場合
↑↑この方が分かりやすいですねw
加齢も大きな要因
↓↓こちらの記事にも書いているように、膀胱は風船みたいな構造をしています。
ゴムの風船が、経年劣化し、伸びが悪くなるのと同じように、加齢とともに膀胱自体のオシッコを溜める容量が減っていきます。
年齢とともに、夜間オシッコに起きる回数が増えていくのは、ある程度は仕方のないことと考えていいでしょう。
夜間頻尿に困ってますか?

まず、大前提として、自分自身が夜間にオシッコに起きることで困っているかどうか?を考えましょう。
困っていれば、セルフチェック、セルフケアの必要度も高くなります。
- 夜に何度もオシッコに起き、その後寝付けなくて…次の日に差し障る
- 足腰の動きが悪くて転ぶ危険がある
いかがですか?
オシッコに起きてもすぐ眠れるから困ってないのよ、という方もいらっしゃいます。
昼間のオシッコはどう?

夜間頻尿で悩む方は、実は一日のオシッコの量をトータルで考える必要があります
人間の1日の尿量は体格や摂取した水分量にも左右されますが、だいたい1000~2000ml。
1日のオシッコの量が、その範囲に収まっていて、夜の回数が多いのか?
↑この場合、水分摂取の時間を早めに切り上げる(例えば、夕方18時以降は飲まないなど)と、夜間にオシッコを作る量が減り、回数が減る可能性があります。
1日のオシッコの量が2000ml以上あって、昼間も夜もめっちゃ多いのか?
↑この場合は、1日の飲水量がかなり多い可能性があるので飲水量を控えると改善する可能性があります。
※注意:オシッコも多くてのどが渇いて仕方がない…という場合はホルモンの病気の危険がありますので早めに受診をしましょう。
ご自分のパターンはいかがですか?
また、色や泡立ちはどうですか?オシッコの色や泡立ちが気になる方はコチラ↓↓
1日の水分摂取量を知ろう

次に、飲む水分として、自分は1日どのくらい飲んでいるのかな?と具体的な数字をだいたいでいいので考えてみましょう。
朝起きてコップ一杯の水飲みますか?+200ml
コーヒーは+150ml、牛乳+200ml、風呂上りに水を1杯+200ml…
などなど
夕食に飲むビールやハイボールの量も必ず加えてくださいね!
ちょっと書き出してみてください(^^) 飲み過ぎてはいませんか?
人間が1日に必要な水分量は体重×30ml~40mlとされています。
例えば60㎏の人なら、1.8L~2.4Lです。
内容にもよりますが、食事からも約1リットルの水分を摂ることができているので、差し引いて計算しましょう。
「1日2リットルを摂取」は必要ない

「血液サラサラを保つため、美容のため、1日2リットル以上水を飲みましょう」と言われる方もいますが、実は科学的根拠のないことをご存じですか?
「適量の飲水は熱中症対策に重要だが、血液サラサラと実は関係ない。私たちの施設で外来患者を対象に1週間1日2リットルの飲水をしてもらい、前後の血液の粘稠度との関係を調べた結果、特に変化はなかった。高齢者はむしろ夜間の排尿回数が増えた」
— 北上中央病院 菅谷 公男 先生 The夜間頻尿.comより
先ほども書きましたが、
人間が1日に必要な水分量は体重×30ml~40mlとされています。
例えば60㎏の人なら、1.8L~2.4Lです。
内容にもよりますが、食事からも約1リットルの水分を摂ることができているので、1日2リットルも飲む必要はありません。
飲水として飲む必要があるのは800ml~多くて1400mlという事になりますね。
夜、オシッコに起きる回数が多い方は、水分の取りすぎかもしれません。
足のむくみが夜間頻尿の原因

足がむくみがちの方は、夜、横になり身体を休めると、今まで足に溜まっていた水分が血流にのって全身を周ります。
水分が血液に戻り、全身をまわることで、腎臓へ行くの血液の量も増え、オシッコがたくさん作られ、結果、夜間頻尿に。
「日中、それほど回数は行かないんだけど、夜になると増えるんだよなぁ」と言う方はこのパターンが多く見られます。
夕方、足を高くして休憩しよう

足をクッションなどに置き、心臓より高い位置にして15分~30分くらい休憩します。
それだけで、足に溜まった水分が全身に戻り、夜寝る前までにオシッコになってくれ、夜間頻尿の回数が減ります。
ポイントは「夕方」です!
夕方、ウォーキングなど軽い運動をしよう

軽い運動をすることで、足の筋肉がポンプとなり、足に溜まった水分を血流に乗せて、心臓に戻します。
これも寝る直前ではなく、数時間前に行い、さっさとオシッコにしちゃいましょう!。
寝る2~3時間前にはお風呂にゆっくり浸かろう

お風呂の水圧が、足のむくみを戻す役割をしてくれます。
また、温浴効果で血流が良くなり、腎臓への血の流れも増え、早い時間にオシッコを生成してくれ、夜間の回数を減らすことに。
弾性ストッキングをはいてみよう
弾性(着圧)ストッキングは、足の血行やリンパの流れを促進し、足のむくみの予防効果があります。
国際的にも医学界で効果が認められ、血栓やむくみ予防に使われています。
まとめ
夜間頻尿は、加齢や体質だけでなく、日中の水分摂取やむくみ対策で改善できる場合があります。
- 水分は体重×30〜40mlを目安に、飲みすぎに注意
- 夕方は足を高くして休む
- 軽い運動・お風呂で血流を整える
- 必要に応じて弾性ストッキングを活用する
これらのセルフケアで夜のトイレ回数が減り、ぐっすり眠れる方も少なくありません。
それでも改善しない場合は、泌尿器科や内科で相談してみてくださいね。
夜間頻尿は神経系や泌尿器科の病気が隠されていることもありますので、心配な方も早めに受診を。
受診の時は、直近3日くらい、およそで良いので、時間付きで、水分摂取量・オシッコの量をメモして医師に見せると、とても重要な診断の助けとなります!
口の広い不要な容器を使用したり、100均で計量カップを購入するのがおススメです。
ペットボトルを切って使うのは、切り口が鋭利になってケガをする恐れがあるのでおススメしません。
↓↓この排尿日誌をダウンロードして使用してください♪

この情報は医療専門家の診断に代わるものではありません。体調が気になる方は専門医にご相談ください。
参考文献はコチラ↓↓



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[…] ※本記事は2025年10月9日開催のセミナーインタビューをもとに再構成したものです。現場での排尿ケアの実践に関心がある方は、看護師ぴぃ子さんのブログ👉 『困った【夜間頻尿】病院に行く前にできること』 もぜひご覧ください。セルフケアとチーム医療、両方の視点から“オシッコの悩み”をやさしく学べます。 […]